背景条件の変化を考えただけでも、賃金は有能な人々については早くから高めると同時に昇給カーブないし勤続・年齢−賃金プロファイルの勾配はゆるやかにすることが合理的であろう。有能な人々については早くからその報酬を高める必要があるという事は、能力あるいは成果のない人々についてはその限りではないという事でもある。背景の下で技術の変化が進み、労働市場の流動化が進むと、有能な人々については早期に賃金を高めないと他の企業に流出するおそれがますます高くなる。
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その意味からも有能な人々については報酬を大きく高める必要があるが、その反面、能力や成果のない人々については報酬を抑えざるを得ない。メガトレンドの変化の下で、賃金原資にはますます余裕がなくなるからである。能力や成果にもとづいたこのような格差の拡大は不可避であると考えられるが、それは能力や業績の評価がそれだけ厳格、精密になり、またそうした評価にもとづく雇用管理がそれだけ厳しくなることを意味する。高い能力と成果を達成できない人々にとってはこれからは賃金だけでなく雇用についても必ずしも安定を保障できなくなるだろう。それだけに勤労者にとっては一層の研鐙と自己投資が必要にならざるを得ない。